ウェルニッケ野

脳: ウェルニッケ野
ウェルニッケ野のおおよその位置が茶色で示されている。
名称
日本語 ウェルニッケ野
英語 Wernicke's area
関連情報
Brede Database 階層関係、座標情報
NeuroNames 関連情報一覧
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ウェルニッケ野(ウェルニッケや、: Wernicke's area)は、ヒト皮質の一部を形成する大脳の一部で、上側頭回の後部に位置する。知覚性言語中枢とも呼ばれ、他人の言語を理解するはたらきをする。

概要

ウェルニッケ野は聴覚野を囲むように存在し、シルヴィウス溝 (中でも側頭葉頭頂葉が接する部分)に接する。ブロードマンの脳地図における22野にあたり、多くの人の場合、言語中枢は左半球に局在しているので、ウェルニッケ野は左半球に存在する。脳卒中時の中大脳動脈閉塞はこの領域の機能に影響を及ぼす。

ウェルニッケ野という名前はドイツ神経科学者外科医カール・ウェルニッケの名からつけられた。彼は1874年にこの領域の障害がウエルニッケ失語、または感覚性失語と呼ばれる特有の失語症を起こすことを発見した。

この失語症の症状は 言語理解の障害と、音声言語の場合は自然な発音リズム、比較的普通の文法といった特徴がある。しかし彼らの話す言葉には理解可能な意味が存在しない。(このような症状は流暢性失語、ジャーゴン失語とも呼ばれる)

このウェルニッケの仕事により、この領域とその言語における役割に関する研究が始められた。それは特に音声言語の理解に関係するものとして知られている。

この領域は弓状束と呼ばれる神経経路を介してブローカ野と接続している。また、その音声言語の理解に関する役割から、一次聴覚野との接続が示されている。

画像

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ウェルニッケ野に関連するカテゴリがあります。

外部リンク

: 終脳 (大脳, 大脳皮質, 大脳半球 (en)
前頭葉
頭頂葉

中心後回, 体性感覚野 (一次体性感覚野 (1, 2, 3,43), 二次体性感覚野 (en(5)), 楔前部 (7m) - 頭頂弁蓋 (en

頭頂小葉 (上頭頂小葉 (7l), 下頭頂小葉 (40)), 縁上回 (40), 角回 (39)

中心後溝, 頭頂間溝, 縁溝

後頭葉
側頭葉(外・下)

一次聴覚野 (41,42), 横側頭回, 上側頭回 (38, 22/ウェルニッケ野), 中側頭回 (21), 下側頭回 (20), 紡錘状回 (37) , 側頭極

上側頭溝, 下側頭溝

辺縁皮質・島皮質

島皮質

帯状回: 膝下野 (en(25), 前帯状皮質 (24,32,33), 後帯状皮質 (23,31), 脳梁膨大後部皮質 (26,29,30)

海馬傍回 (27,28,34,35,36), 海馬鉤, 海馬体,(扁桃体の一部)
※ 内側側頭葉など他の脳葉に含めて扱われることもある。

脳葉間の脳溝など
白質

交連線維 - 連合線維

内包 (内包前脚, 内包膝, 内包後脚), 放線冠, 外包, 終板, 最外包, 半卵円中心 (en

嗅索 - 分界条 - ブローカー対角束

その他

嗅球, 前嗅核, 前有孔質, マイネルト基底核/無名質

線条体/淡蒼球/腹側線条体, 扁桃体, 前障

いくつかの領域分けは大まかなものになっている。

カッコ内の番号はブロードマンの脳地図における番号である。また、ブロードマンの脳地図における領域のいくつかは複数の脳回にまたがっている。