スティーブン・ジャクソン (アメリカンフットボール)

曖昧さ回避 この項目では、1983年生のランニングバックについて説明しています。1942年生のラインバッカーについては「スティーヴン・フランクリン・ジャクソン」をご覧ください。
スティーブン・ジャクソン
Steven Jackson
refer to caption
2012年、ラムズ時代のジャクソン
基本情報
ポジション ランニングバック
生年月日 (1983-07-22) 1983年7月22日(40歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ネバダ州ラスベガス
身長: 6' 2" =約188cm
体重: 240 lb =約108.9kg
経歴
大学 オレゴン州立大学
NFLドラフト 2004年 / 1巡目全体24位
初出場年 2004年
初出場チーム セントルイス・ラムズ
所属歴
2004年-2012年 セントルイス・ラムズ
2013年-2014年 アトランタ・ファルコンズ
2015年 ニューイングランド・ペイトリオッツ
受賞歴・記録
プロボウル選出(3回)
2006年、2009年、2010年
その他受賞・記録
ラスベガスボウルMVP(2003年)
セントルイス・ラムズ最優秀新人選手(2004年)
オールプロセカンドチーム選出:2回(2006年、2009年)
セントルイス・ラムズMVP選出3回:(2006年、2009年、2010年)
NFCリーディングラッシャー(2009年)
セントルイス・ラムズ歴代リーディングラッシャー
NFL 通算成績
通算ラッシングヤード 11,388ヤード
平均 4.2ヤード
ラッシングTD 68回
パスレシーブ回数 460回
レシーブ獲得ヤード 3,663ヤード
TDレシーブ 9回
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

スティーブン・ジャクソン(Steven Jackson 1983年7月22日- )はネバダ州ラスベガス出身の元アメリカンフットボール選手。現役時代のポジションはランニングバックナショナル・フットボール・リーグ (NFL) のNFC西地区に所属するセントルイス・ラムズ等でプレーしていた。2005年から2012年まで8シーズン連続で1000ヤードラッシャーとなっている。

経歴

プロ入りまで

アメリカ海兵隊に所属し、ベトナム戦争帰りの父親とブラックジャックディーラーを務めていた母親の間にラスベガスで生まれた。姉2人の3人兄弟の一番下として育った彼は規律のあるしつけを受けて、午前9時過ぎまで寝坊することは許されなかった[1]

高校時代からランニングバックとしてプレーした彼は3年間で6,396ヤードを走り81タッチダウンをあげた[1]。3年次には州の決勝まで進んだが敗れている。これらの活躍で2011年にネバダ州南部のスポーツ殿堂入りを果たした[2]

GPAが3.8あった彼はダートマス大学のようなアイビー・リーグ校からもオファーを受けたが、NFL選手になる夢を実現させるためにオレゴン州立大学に進学した[1]。大学で3年間で36試合に出場、743回のキャリーで3,625ヤード、平均4.9ヤードを走った。また66回のキャッチで680ヤードを獲得、6タッチダウン、キックオフリターンで7回の240ヤードをリターン、1タッチダウンをあげ、オールパーパスヤードで大学歴代2位の4,545ヤードを獲得、大学歴代3位の276得点をあげた[1]

大学2年次にはパシフィック・テン・カンファレンストップの1,690ヤードを走った。3年次には350回のキャリーで1,545ヤードを走り、19タッチダウン、44回のキャッチで470ヤードを獲得、3タッチダウンをあげた。1シーズンのオールパーパスヤード2,015ヤードは大学記録となった。

NFL

セントルイス・ラムズ

ドラフト前、多くのチームがジャクソンに関心を寄せたが、大学の最終年に負った膝のけがが注目された。NFLコンバインでは40ヤード走で4.45秒に終わった。

2004年NFLドラフト1巡全体24位、その年のドラフトでRBとしては最初にセントルイス・ラムズに指名された[1]。そして7月30日に5年間700万ドル(205万ドルのサインボーナスを含む)の契約を結び入団した[3]

1年目はマーシャル・フォークの控えとして限定された出場機会しか与えられず[1]、134回のキャリーで673ヤードを走り4タッチダウン、19回のキャッチで189ヤードを獲得した[1]

2年目の2005年、高齢のフォークに代わって先発RBとなった[1]。この年254回のキャリーで1,046ヤードを走り8タッチダウン、43回のキャッチで320ヤード、2タッチダウンをあげた。

パスオフェンスを重視したマイク・マーツヘッドコーチが退団し、ミネソタ・バイキングスのオフェンスコーディネーター、スコット・リネハンが後任ヘッドコーチに就任した3年目の2006年からはチームの攻撃の中心となり[1]、346回のキャリーで1,528ヤードを走り13タッチダウン、90回のキャッチで806ヤード、3タッチダウン[3]、ラン・レシーブ合計で2,334ヤードを獲得、プロボウルに選ばれた[4]

2007年11月18日、ナイナーズ戦でのジャクソン

2007年は9月23日のタンパベイ・バッカニアーズ戦で足の付け根を痛めたため4試合に欠場[5]、12試合に出場し、1,002ヤードを走り5タッチダウン、38回のキャッチで271ヤード、1タッチダウンをあげた[3]

2008年シーズン開幕前、トレーニングキャンプをホールドアウトし[6][7]、8月21日チームと5年間4930万ドル(2100万ドルの保障)で契約を延長した[3]。第4週のバッファロー・ビルズ戦ではラン24回で110ヤードを走り、5回のキャッチで78ヤードを獲得、1タッチダウンをあげたがチームは敗れた[8]。太ももを痛めて第8週のニューイングランド・ペイトリオッツ[9]、第10週から第12週まで3週間連続で欠場した[10]。最終週のアトランタ・ファルコンズ戦では161ヤードを走り2タッチダウンをあげたが、チームは2勝14敗の成績に終わった[11]

2009年は開幕から連敗続きのチームで唯一活躍を見せて10月25日のインディアナポリス・コルツ戦では134ヤードを獲得[12]、この年第16週のアリゾナ・カージナルス戦は欠場したものの[13]、5年連続となる1000ヤードラッシャーとなり、プロボウルに選ばれたが背中を痛めているため出場を辞退、フランク・ゴアが代役となった[14]

2010年4月初旬に椎間板ヘルニアの手術を受けた[15]。10月24日のタンパベイ・バッカニアーズ戦でエリック・ディッカーソンが持っていた7,245ヤードを抜き、チームの歴代リーディングラッシャーとなったが[16]左手薬指を骨折した[17]。勝てばプレーオフ出場となる第17週のシアトル・シーホークス戦では11回のランで45ヤードの獲得に終わりチームは敗れた[18]。この年、1241ヤードを走り6年連続となる1000ヤード超えを達成[19]、プロボウルに選ばれている[20]

2011年フィラデルフィア・イーグルスとの開幕戦でタッチダウンをあげた際に足を痛めて退場した[21][22]。この怪我により第2週のニューヨーク・ジャイアンツとのマンデーナイトフットボールを欠場した[23]

2012年10月、契約最終年にあたる2013年シーズンには700万ドルの年俸を受け取る契約が結ばれているが、これを破棄するかもしれないことが報道されている[24]。12月16日のミネソタ・バイキングス戦でNFL史上27人目の通算10,000ヤードラッシャーとなった。12月30日のシアトル・シーホークス戦でキャリア8度目のシーズン1000ヤードラッシャーとなった。この年1,042ヤードを走り、4TDをあげた。

アトランタ・ファルコンズ

2013年2月、ラムズはジャクソンとの契約最終年の契約を解除、フリーエージェントとなり、自由に移籍先を探せるようになった。3月14日、ジャクソンはアトランタ・ファルコンズと3年1200万ドル(400万ドルの保証)で契約を結んだ[25]。この年シーズン序盤に太ももを故障して4試合に欠場、キャリアワーストの543ヤードのランに終わった[26]

2014年も707ヤードのランに終わり、2015年2月26日、ファルコンズから解雇された[27]

ニューイングランド・ペイトリオッツ

2015年12月21日にニューイングランド・ペイトリオッツと契約した[28]デンバー・ブロンコスとのAFCチャンピオンシップゲームでは、キャリアで初めてプレーオフでタッチダウンを挙げた[29]

現役引退

2019年7月29日にロサンゼルス・ラムズと1日契約を結び、現役を引退した[30]

人物

サイズ、スピード、パワー、スタミナを兼備しており、パスキャッチにも優れている[31][32][33]

2006年にファンとのチャットで、マイク・マーツヘッドコーチのプレイブック(NFLで最も分厚いと噂されている)について、非常に学ぶのが大変でルーキーシーズンに8週から9週間かけて覚えこんだと語った。またNFLで最もハードヒットをする選手としてアリゾナ・カージナルスのエイドリアン・ウィルソンをあげた。EAスポーツマッデン08のカバープレイヤー(マッデンの呪いと呼ばれるジンクスでカバーを飾った選手にトラブルが起きる。)としてのオファーがあった場合、受けるか質問されてノーと答えた[34]

2011年にNFLネットワークが行った選手間投票「トップ100プレイヤー2011」で38位にランクされた。これについてラムズOBのマーシャル・フォークはスピードがあり、パワフルラン、レシーブ能力も持つ彼はもっと高順位にランクされるべきであると語った[35]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i “Biography”. sj39.com. 2011年9月19日閲覧。
  2. ^ “Rams’ Steven Jackson among 5 inducted into local hall of fame”. ラスベガス・サン (2011年6月11日). 2011年9月18日閲覧。
  3. ^ a b c d “ラムズ、RBジャクソンと5年の契約延長”. NFL JAPAN (2008年8月22日). 2011年9月18日閲覧。
  4. ^ “NFC西地区、2009シーズンのトレンドは「ラン攻撃」-前編‐”. NFL JAPAN (2009年6月16日). 2011年9月18日閲覧。
  5. ^ “ラムズのエースRB、ビルズ戦へ「問題なし」”. NFL JAPAN (2008年9月26日). 2011年9月18日閲覧。
  6. ^ 鈴木栄一 (2008年8月1日). “RBジャクソン、ホールドアウト中もHCに連絡”. NFL JAPAN. 2011年9月18日閲覧。
  7. ^ 鈴木栄一 (2008年8月14日). “ラムズ、エースRBジャクソンがいまだホールドアウト”. NFL JAPAN. 2011年9月18日閲覧。
  8. ^ “後半に本領発揮、ビルズ逆転で無傷の開幕4連勝”. NFL JAPAN (2008年9月29日). 2011年9月18日閲覧。
  9. ^ “ラムズ、太もも痛のエースRBジャクソンは復帰に前向き”. NFL JAPAN (2008年10月31日). 2011年9月18日閲覧。
  10. ^ “【第13週プレビュー】ドルフィンズ対ラムズ”. NFL JAPAN (2008年11月29日). 2011年9月18日閲覧。
  11. ^ “RBターナーがラン200ヤード、ファルコンズは第5シード”. NFL JAPAN (2008年12月29日). 2011年9月18日閲覧。
  12. ^ “【第8週プレビュー】ラムズ、ライオンズ相手に今季初白星なるか”. NFL JAPAN (2009年10月30日). 2011年9月18日閲覧。
  13. ^ “【第16週】カーディナルス余裕勝ち、23年ぶりシーズン10勝”. NFL JAPAN (2009年12月28日). 2011年9月18日閲覧。
  14. ^ “RBゴア、ジャクソンの代役でプロボウル2度目の選出”. NFL JAPAN (2010年1月21日). 2011年9月18日閲覧。
  15. ^ “ラムズのエースRBジャクソン、ヘルニア手術が発覚”. NFL JAPAN (2010年5月6日). 2011年9月18日閲覧。
  16. ^ “第7週から7つの偉大な記録、“T・O”史上5人目の快挙”. NFL JAPAN (2010年10月26日). 2011年9月18日閲覧。
  17. ^ “ラムズ、歴代リーディングラッシャーのジャクソンが指骨折”. NFL JAPAN (2010年10月26日). 2011年9月18日閲覧。
  18. ^ “シーホークス堅守で勝利、土壇場で逆転地区優勝”. NFL JAPAN (2011年1月3日). 2011年9月18日閲覧。
  19. ^ “ラムズのエースRBジャクソン、合同練習を重要視せず”. NFL JAPAN (2011年7月19日). 2011年9月18日閲覧。
  20. ^ “2011年プロボウル選出メンバー発表-NFC攻撃-”. NFL JAPAN (2010年12月29日). 2011年9月18日閲覧。
  21. ^ ““ドリームチーム”イーグルス、主力活躍で順調な船出”. NFL JAPAN (2011年9月12日). 2011年9月18日閲覧。
  22. ^ “ラムズ、QBブラッドフォードら5人が負傷”. NFL JAPAN (2011年9月12日). 2011年9月18日閲覧。
  23. ^ “Burwell: Meet the "new" Rams, same as the "old" Rams”. STL today.com (2011年9月19日). 2011年9月20日閲覧。
  24. ^ “ラムズRBジャクソン、来季の契約無効可能を認める”. NFL JAPAN (2012年10月6日). 2012年10月20日閲覧。
  25. ^ Dan Hanzus (2013年3月14日). “Steven Jackson, Atlanta Falcons agree to contract”. nfl.com. 2013年9月28日閲覧。
  26. ^ “ファルコンズHC、RBジャクソンの復活に期待”. NFL JAPAN (2014年3月29日). 2014年4月5日閲覧。
  27. ^ “ファルコンズ、プロボウル3回選出のRBジャクソン放出”. NFL JAPAN (2015年2月27日). 2015年5月6日閲覧。
  28. ^ Orr, Conor. “New England Patriots sign Steven Jackson”. NFL.com. 2015年12月21日閲覧。
  29. ^ “AFC Championship - New England Patriots at Denver Broncos - January 24th, 2016” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2019年3月24日閲覧。
  30. ^ Simmons, Myles. “Rams sign Steven Jackson, he retires as a Ram”. TheRams.com. 2020年1月31日閲覧。
  31. ^ アダム・ランク (2011年4月5日). “NFL史上ナンバー1の“ジャクソン”は?”. NFL JAPAN. 2011年9月18日閲覧。
  32. ^ パット・カーワン (2011年5月31日). “今季注目のRBたちをランキング! -前編-”. NFL JAPAN. 2011年9月18日閲覧。
  33. ^ スティーブ・ワイチ. “1人でランをけん引、疲れ知らずなワークホースRBたち”. NFL JAPAN. 2011年9月18日閲覧。
  34. ^ “Chat with Rams' RB Steven Jackson”. ESPN (2006年10月). 2011年9月20日閲覧。
  35. ^ “殿堂入りRBフォーク氏、「ジャクソンは38位より上の選手」”. NFL JAPAN (2011年6月13日). 2011年9月18日閲覧。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 通算成績と情報 NFL.com, or ESPN, or Pro-Football-Reference (英語)
  • スティーブン・ジャクソン (@sj39) - X(旧Twitter)
  • スティーブン・ジャクソン (stevenjackson39) - Facebook
先代
ジミー・ケネディ
セントルイス・ラムズ
ドラフト1巡指名
2004年
次代
アレックス・バロン
  1. イーライ・マニング
  2. ロバート・ギャラリー
  3. ラリー・フィッツジェラルド
  4. フィリップ・リバース
  5. ショーン・テイラー
  6. ケレン・ウィンズロー
  7. ロイ・ウィリアムズ
  8. ディアンジェロ・ホール
  9. レジー・ウィリアムズ
  10. デュンタ・ロビンソン
  11. ベン・ロスリスバーガー
  12. ジョナサン・ヴィルマ
  13. リー・エバンズ
  14. トミー・ハリス
  15. マイケル・クレイトン
  16. ショーン・アンドリュース
  17. D・J・ウィリアムズ
  18. ウィル・スミス
  19. バーノン・キャレイ
  20. ケネチ・ウディゼ
  21. ビンス・ウィルフォーク
  22. J・P・ロスマン
  23. マーカス・タブス
  24. スティーブン・ジャクソン
  25. アーマド・キャロル
  26. クリス・ペリー
  27. ジェイソン・バビン
  28. クリス・ギャンブル
  29. マイケル・ジェンキンス
  30. ケビン・ジョーンズ
  31. ラショーン・ウッズ
  32. ベンジャミン・ワトソン
 
各年のNFLドラフト
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