バンクーバー国際空港

バンクーバー国際空港
Vancouver International Airport
IATA: YVR - ICAO: CYVR
概要
国・地域 カナダの旗 カナダ
所在地 ブリティッシュコロンビア州リッチモンド
母都市 バンクーバー
種類 公共
所有者 カナダ運輸省
運営者 バンクーバー国際空港公団
開港 1931年
拠点航空会社 エア・カナダ
敷地面積 1340 ha
標高 4 m (14 ft)
座標 北緯49度11分38秒 西経123度11分04秒 / 北緯49.19389度 西経123.18444度 / 49.19389; -123.18444座標: 北緯49度11分38秒 西経123度11分04秒 / 北緯49.19389度 西経123.18444度 / 49.19389; -123.18444
公式サイト www.yvr.ca
地図
ブリティッシュコロンビア州における位置
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YVR
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ブリティッシュコロンビア州における位置
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YVR
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滑走路
方向 長さ (m) 表面
08L/26R 3,030 コンクリート
08R/26L 3,505 アスファルト/コンクリート
13/31 2,225 アスファルト/コンクリート
ヘリパッド
番号 長さ (m) 表面
A 34
B 24 アスファルト
C 34 コンクリート
統計(2019年[1]
旅客数 26,379,870人
出典: Canada Flight Supplement[2]
Environment Canada[3]
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バンクーバー国際空港(バンクーバーこくさいくうこう、: Vancouver International Airport)は、カナダブリティッシュコロンビア州・リッチモンドにある国際空港。バンクーバー市街より南西15kmに位置し、フレーザー川河口の中州 (: Sea Island)の大部分を占める。

バンクーバーはカナダの主要都市の中でアジアに最も近く、またアジア系移民が多いことから、アジアからの玄関口と位置づけられている。YVRは国際空港としては珍しく水上機定期便のためのターミナルを備えている。

スカイトラックスのワールド・エアポート・アワードでは、2010年から3年連続で北米地区1位の評価を受け、2012年は世界9位だった[4]

2019年の旅客数は2,637万人でカナダの空港ではトロント・ピアソン国際空港に次いで2番目だった[1]

先住民の様式で飾られた国内線ターミナル
先住民のトーテムポールなどが置かれた国際線ターミナル
2021年の増築部

歴史

バンクーバーには元々ミノルパーク(英語版)に滑走路があったが、市が現在地を購入し1930年に飛行場の建造が開始された。第二次世界大戦中に連邦政府に貸し出されてカナダ空軍の訓練基地となり、その収入により敷地拡張を行った。1968年にジェット機への直接搭乗が可能な現在のメインターミナルが竣工。1996年には国際線ターミナルが拡張され、北側の滑走路が完成した。

ターミナル

国内線ターミナル
1968年に建造されたターミナル。搭乗口はA1〜6、B11〜22、C25〜52の3ブロックに分かれており、Aブロックは主にウエストジェット航空が、Cブロックは主にエア・カナダが使用している。Aブロックのボーディング・ブリッジは特殊な構造で、途中で2つに分かれており、片方は機体前方の扉、もう片方は機体の主翼を超えて、機体後方の扉から搭乗出来るようになっている。
航空会社や利用クラスに関わらず有料で利用できるラウンジ(Plaza Premium Lounge)も設けられている[5]
国際線ターミナル
1996年に国内線ターミナルを拡張する形で建造された。アメリカ合衆国の事前入国施設(つまり到着時は他のアメリカ国内線と同じ場所に降ろされる)があり、合衆国へ出発する旅客はそれ以外の旅客と動線が区分されていることから、この区域はしばしばUSAターミナル(搭乗口E70〜96)と案内されている。それ以外の一般の国際線の搭乗口はD50〜D78であるが、一部の搭乗口は需要に応じて国内線や合衆国線用に用いることが出来るよう、動線を区切れるようになっている。
航空会社や利用クラスに関わらず有料で利用できるラウンジ(Plaza Premium Lounge)も設けられている[6]
南ターミナル
最古のターミナルで主に州内を結ぶ地域航空会社ゼネラルアビエーション向けとなっている。水上機ヘリコプターはこのターミナルを利用する。メインターミナルとの間は無料のシャトルバスが接続している。搭乗口はG1〜3。

就航路線

航空会社就航地
カナダの旗エア・カナダオースティン北京/首都ブリスベンカルガリーエドモントン香港ホノルルカフルイコナラスベガスロンドン/LHTロサンゼルス/LAXメキシコシティモントリオールニューアークロサンゼルス/オレンジカウンティオタワプエルト・バヤルタサンフランシスコソウル/仁川上海/浦東シドニー東京/成田トロントホワイトホースウィニペグ
季節運航 : 大阪/関西アンカレッジ、オークランド(NZL)、ボストンカンクンダブリンフランクフルトハリファックス、イスタパ・シワタネホ、ケロウナパームスプリングスフェニックスロス・カボスチューリッヒ
カナダの旗エアカナダ・エクスプレス
ジャズ航空
カッスルガー、シカゴ/ORD、コモックス、クランブルック、デンバーエドモントン、フォート・セントジョン、カムループス、ケロウナナナイモペンティクトンポートランド(OR)、プリンス・ジョージ、プリンスルパート、レジャイナ、サクラメントサンディエゴ、サンドスピット、サンフランシスコサンノゼ(CA)、サスカトゥーンシアトル、スミザーズ、テラス、ビクトリアホワイトホースイエローナイフ
季節運航 : フェニックスウィニペグ
カナダの旗エアカナダ・ルージュケベックシティ
カナダの旗ウエストジェットカルガリーカンクンエドモントンホノルルカフルイラスベガスロサンゼルス/LAXロサンゼルス/オレンジカウンティパームスプリングスプエルト・バヤルタ、レジャイナ、ロス・カボスサスカトゥーントロントウィニペグ
季節運航 : ハリファックス、ワトゥルコ、コナリフエロンドン/LGW、マサトラン、モントリオールオーランドオタワフェニックスサンディエゴサンフランシスコ
カナダの旗ウエストジェット・リンクコモックス、クランブルック、カムループス、ナナイモ
カナダの旗ウエストジェット・アンコールフォート・セントジョン、ケロウナプリンス・ジョージ、テラス、ビクトリア
カナダの旗フレア航空バーバンクカルガリーエドモントンケロウナ、ウォータールー、ラスベガスモントリオールオタワサンフランシスコロス・カボストロントウィニペグ
季節運航 : アンカレッジ、グランデプレーリー、パームスプリングス、メサ、プリンス・ジョージ、レジャイナ、サスカトゥーン
カナダの旗サンウィング航空季節運航 : カンクン、ワトゥルコ、イスタパ・シワタネホ、プエルト・バヤルタプンタ・カナロス・カボス、サンタ・クララ、トロント、ヴァラデロ
カナダの旗エアトランザットモントリオールトロント
カナダの旗リンクス航空カルガリーケロウナトロントウィニペグ
カナダの旗エア・ノースケロウナビクトリアホワイトホース
季節運航 : イエローナイフ
カナダの旗パシフィック・コースタル航空アナヒム・レイク、ベラベラ、ベラクーラ、キャンベルリバー、コモックス、クランブルック、カムループス、マセット、ペンティクトン、ポートバーディ、パウエルリバー、トフィーノ、トレイル、ビクトリア、ウィリアムズレイク
カナダの旗セントラル・マウンテン・エアキャンベルリバー、カムループス、ケロウナ、クイネル、ウィリアムズレイク
カナダの旗Harbour AirBedwell Harbour、Ganges Harbour、Lyall Harbour、Montague Harbour、Miners Bay、Nanaimo Harbour、Victoria、Victoria Harbour
カナダの旗Seair SeaplanesBedwell Harbour、Ganges Harbour、Montague Harbour、Miners Bay、Port Washington、Nanaimo Harbour
アメリカ合衆国の旗アメリカン航空 シカゴ/ORDダラス/フォートワースフェニックス
アメリカ合衆国の旗アメリカン・イーグルロサンゼルス/LAX
アメリカ合衆国の旗デルタ航空 ミネアポリス=セントポールソルトレイクシティ
季節運航 : デトロイトシアトル
アメリカ合衆国の旗デルタ・コネクションソルトレイクシティシアトル
アメリカ合衆国の旗ユナイテッド航空シカゴ/ORDデンバーヒューストンサンフランシスコ
季節運航 : ニューアークワシントン/ダレス
アメリカ合衆国の旗ユナイテッド・エクスプレスデンバーロサンゼルス/LAXサンフランシスコ
アメリカ合衆国の旗アラスカ航空ポートランド(OR)、シアトル
アメリカ合衆国の旗ジェットブルー航空ボストンニューヨーク/JFK
メキシコの旗アエロメヒコ航空メキシコシティ
イギリスの旗ブリティッシュ・エアウェイズ          ロンドン/LHT
フランスの旗エールフランスパリ/CDG
ドイツの旗ルフトハンザドイツ航空フランクフルトミュンヘン
ドイツの旗コンドル航空季節運航 : フランクフルト
オランダの旗KLMオランダ航空アムステルダム
アイスランドの旗アイスランド航空レイキャビーク
スイスの旗エーデルワイス航空季節運航 : チューリッヒ
日本の旗日本航空東京/成田
日本の旗全日本空輸東京/羽田
日本の旗ZIPAIR Tokyo東京/成田
大韓民国の旗大韓航空ソウル/仁川
中華民国の旗チャイナエアライン台北/桃園
中華民国の旗エバー航空台北/桃園
香港の旗キャセイパシフィック航空香港
中華人民共和国の旗中国国際航空北京/首都
中華人民共和国の旗中国東方航空上海/浦東昆明南京
中華人民共和国の旗中国南方航空 広州
中華人民共和国の旗北京首都航空 杭州青島
中華人民共和国の旗海南航空 深圳天津
中華人民共和国の旗四川航空 成都瀋陽鄭州
中華人民共和国の旗厦門航空深圳/宝安
トルコの旗ターキッシュエアラインズイスタンブール
インドの旗エアインディアデリー
フィリピンの旗フィリピン航空 マニラ
シンガポールの旗シンガポール航空シンガポール
オーストラリアの旗カンタス航空シドニー
ニュージーランドの旗ニュージーランド航空 オークランド (ニュージーランド)

  

地域別就航先一覧

  • 北アメリカ
カナダの旗カルガリーエドモントンケロウナオタワモントリオールトロントウィニペグビクトリアサスカトゥーンレジャイナフォートマクマレーカムループス、ウォータールー、ロンドン、ナナイモ、ペンティクトン、フォート・セント・ジョン、プリンスジョージ、キャッスルガー、クランブルック、サンドスピット、スミサーズ、テラス、ホワイトホース、イエローナイフ、コモックス、キャンベルリバー、ケスネル、ウィリアムズレイク、ドーソンクリーク
アメリカ合衆国の旗ロサンゼルスニューヨークシカゴダラスラスベガスサンディエゴサンフランシスコ、ポートランド、シアトルフェニックスアトランタデトロイト、メンフィス、デンバーヒューストンミネアポリスソルトレイクシティ、パームスプリングス、アンカレッジホノルルカフルイコナリフエ
  • 中米・カリブ海
メキシコの旗メキシコシティカンクン、プエルトバジャルタ、サンホセデルカーボ
キューバの旗バラデロ、ジャマイカの旗モンテゴベイ
  • ヨーロッパ
ドイツの旗フランクフルトデュッセルドルフ
イギリスの旗ロンドンオランダの旗アムステルダムフランスの旗パリスイスの旗チューリッヒ
  • アジア
日本の旗東京大阪
中華人民共和国の旗北京上海
香港の旗香港中華民国の旗台北大韓民国の旗ソウルフィリピンの旗マニラ
  • オセアニア
ニュージーランドの旗オークランド、オーストラリアの旗シドニー

アクセス

スカイトレイン

スカイトレインの「カナダ・ライン(Canada Line)が、バンクーバーのダウンタウンへ約25分で接続している。また、ブリッジポート駅にて路線が分かれており、リッチモンド方面へ乗り換えることも可能である。料金は平日の始発から18:30までがゾーン制、平日の18:30以降ならびに土日祝日の全日が均一制である。 空港からバンクーバー市内は2ゾーンのため4.10ドル。均一制の時間帯は1ゾーン分の料金である2.85ドルが適用される。乗車券の有効時間は購入時より90分である。 空港島内の駅から出発する場合のみ、乗車券に加えて5ドルの割増料金が課せられるが、定期券、一日乗車券、回数券利用者はこの割増料金が免除される。これらの乗車券は駅の券売機で購入可能である。また、乗車券はスカイトレインの他路線、路線バス、シーバス等でも使用可能である。 同路線は、2010年バンクーバーオリンピックの開催に合わせて、その前年の2009年8月に開業した。それ以前はバンクーバーからは98 B-Lineという急行バスで空港東側にあるAirport Stationまで行き、そこから424番のバスに乗り換えなければならなかったが、98 B-Lineはカナダ・ラインの開業をもって廃止された。

路線バス

スカイトレイン同様、トランスリンクが運営している。スカイトレインが運行しない深夜には夜行バスN10が運行しており、バンクーバーのダウンタウンまで約30分。また南ターミナルへのアクセスとして、スカイトレインのブリッジポート駅から412が連絡している。

長距離バス

Pacific Coach社がスクアミッシュ経由ウィスラー行きのSkyLink、およびビクトリア行きのVictoria Linkを2〜3時間おきに運行している。またQuick Coach Line社がワシントン州シアトル行きのQuickShuttleを運行している。

タクシー・リムジン

タクシーはメーター制で、ほかに行き先別固定料金制のリムジンが営業している。

事故

  • 1968年2月7日、濃霧のなか着陸したカナダ太平洋航空のボーイング707型機がオーバーランし、乗務員1名が死亡。
  • 1970年3月1日、エア・カナダのビッカース バイカウントが着陸中のERCO エアクーペと空中衝突し、エアクーペの操縦士が死亡[7]
  • 1995年8月19日、エア・ノースの輸送機C-47が着陸中の事故で乗務員1名が死亡[8]
  • 2007年10月19日、パイパー PA-34が離陸直後に近隣住居に墜落し操縦士1名が死亡。
  • 2009年7月9日、カナディアン・エア・チャーターのパイパー PA-31(英語版)が着陸中に乱気流などにより近隣工業地帯に墜落し操縦士2名が死亡[9]
  • 2011年10月27日、ノーザン・サンダーバード・エアー(英語版)ビーチクラフト キングエア100型機が着陸に失敗し操縦士2名が死亡[10][11]
  • 2022年11月29日、台湾/桃園エバー航空10便(ボーイング777-300ER型機、機体番号:B-16707)が、午後6時半ごろに当空港へ着陸後、前輪が誘導路から外れて脱輪した。この便には、乗員・乗客合わせて253名が搭乗していたが、全員に怪我はなく、機体横にタラップをつけて乗客をターミナルビル内へ輸送した。当時バンクーバー国際空港は大雪となっており、誘導路が積雪してスリップしたものとみられる。脱輪した前輪以外の損傷は無かったが、この影響で折り返し便のバンクーバー発台湾桃園行き9便に約12時間の遅れが発生した[12]

その他

国際線ターミナルとUSAターミナルの中間(二階チェックイン近辺)にある、先住民族の伝説をモチーフにした像は、旧20ドル紙幣(ポリマー幣に変わる前の最後の紙幣)の裏面に描かれている。

脚注

  1. ^ a b “YVR Facts & Stats”. yvr.ca. 2021年12月19日閲覧。
  2. ^ Canada Flight Supplement. Effective 0901Z 29 March 2018 to 0901Z 24 May 2018
  3. ^ Synoptic/Metstat Station Information
  4. ^ Campbell, Alan (2012年4月23日). “YVR wins best airport award again”. Vancouver Sun. http://www.vancouversun.com/news/wins+best+airport+award+again/6505528/story.html 2013年4月17日閲覧。 
  5. ^ “Discover A Plaza Premium Lounge”. 2015年9月13日閲覧。
  6. ^ “Discover A Plaza Premium Lounge USAターミナルは、チェックインを終えると、乗客はそのままデスクの切れ目からチェックインカウンターの奥へ入り、事前入国施設ならびに搭乗ロビーへ向かうという、特殊な構造である。”. 2015年9月13日閲覧。
  7. ^ “Accident description”. Aviation Safety Network. 2009年10月8日閲覧。
  8. ^ “Transportation Safety Board of Canada Report 1995 - A95H0015”. Tsb.gc.ca (2008年7月31日). 2011年3月3日閲覧。
  9. ^ “Wake turbulence blamed for fiery Richmond crash”. The Vancouver Sun. (2011年5月28日). http://www.canada.com/vancouversun/news/westcoastnews/story.html?id=f159398d-19e0-40b9-8f34-5b146a928463 2012年9月20日閲覧。 
  10. ^ “Richmond plane crash leaves pilot dead”. CBC News. (2011年10月28日). http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/story/2011/10/28/bc-vancouver-plane-crash-injured.html 2012年9月20日閲覧。 
  11. ^ “GlobalBC TV Twitter”. 2012年9月20日閲覧。
  12. ^ エバー航空機、カナダで着陸後に脱輪 積雪原因か 乗客253人は無事/台湾 フォーカス台湾 2022/11/30 17:58:20

外部リンク

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