ホンドオコジョ

ホンドオコジョ
ホンドオコジョ
ホンドオコジョ (Mustela erminea nippon)
南アルプス(2006年8月)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : イタチ亜科 Mustelinae
: イタチ属 Mustela
: オコジョ M. erminea
亜種 : ホンドオコジョ
M. e. nippon[1]
学名
Mustela erminea nippon
Cabrera, 1913[1]
和名
ホンドオコジョ
英名
Japanese Stoat[1]

ホンドオコジョMustela erminea nippon)は、イタチ科イタチ亜科イタチ属オコジョ種亜種で、本州東北地方中部地方などに生息するオコジョである。

本種は「ヤマイタチ」、「クダギツネ」とも呼称される。志賀高原では「山の妖精」と呼ばれて親しまれており、本種をモチーフにしたマスコット『おこみん』によるPRが行われている。本種とエゾオコジョとの主な相違点は躯体の大きさで、本種の方が小さい[2]

分布

本州東北地方中部地方などの山岳地帯。関東地方日光市では標高1,200m以上の山岳地帯に生息する[3]。本種の生息地域に野生化したミンクが生息している地域では、ミンクとの生存競争で劣勢に立たされており、その地域では本種の個体数が減少している[4]。本種は準絶滅危惧種(NT)に指定されている[1]

葉山(山形県)2013年10月

特徴

成獣の大きさはオスメスで異なり、オスの方が大きく、体長はオスが約18 - 20cm、メスが約14 - 17cm。尾長は、オスが約5 - 7cm、メスが約6cm。体重は、オスが約200g、メスが約160g[1]。毛色は、下顎から腹部にかけては1年を通して白色。の先端は1年を通して黒色。それ以外の部位の毛色は夏毛と冬毛で異なり、夏毛は褐色、冬毛は白色[3]。換毛期は、夏毛への換毛は初春[5]積雪期には冬毛への換毛しており、白色となる[2]

生態

本種の行動は基本的には単独行動で[4]オスの活動範囲はメスのよりも広く、複数のメスの活動範囲と重なり、その広さは約40 - 80ha。メスの活動範囲は約20 - 50ha。同性間では活動範囲が重ならず、縄張りを持っている[1]。木に登ることや泳ぐこともできる[4]

は、樹洞の間に開いた隙間である[4]

食性は主に動物食で、ネズミリスなどであるが[3]、本種よりも大型のノウサギ捕食することもある[1]。また山小屋の残飯を食べることもある[6]

繁殖

出産時期はで、巣穴で4 - 6匹の新生子を出産する[1][6]

その他

本種は長野県から天然記念物の指定を受けている[2]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h ホンドオコジョ」『絶滅危惧種情報検索』(環境省 生物多様性センター)より。
  2. ^ a b c ホンドオコジョ」『動物小辞典』(ヤマハ発動機)より。
  3. ^ a b c 日本の哺乳類 改訂2版』(p85)より。
  4. ^ a b c d ホンドオコジョ」(中部森林博物館)より。
  5. ^ この場合の「初春」とは生息地帯での初春で、本種は山岳地帯に生息しているため、地域によっては平野部のまたは初夏にあたる。
  6. ^ a b 「オコジョ」(岐阜県環境生活部)より。

参考文献

ウェブサイト

  • 「オコジョ」『岐阜県の絶滅のおそれのある野生生物』2009年3月31日 改訂版、岐阜県環境生活部、2010年1月21日(木)閲覧 
  • 石井信夫「ホンドオコジョ」『絶滅危惧種情報検索』2000年 - 2006年、環境省 生物多様性センター2010年1月21日(木)閲覧 
  • 「ホンドオコジョ」『森に生きる希少動物たち』第10回、中部森林博物館、 オリジナルの2011年9月26日時点におけるアーカイブ、2010年1月22日(金)閲覧 
  • 「ホンドオコジョ」『動物小辞典』、ヤマハ発動機2010年1月21日(木)閲覧 

出版物

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