魔六角陣

魔六角陣(まろっかくじん)は、魔方陣六角形版で、左斜め・右斜め・横のいずれの方向の和も等しくなるように 1 から始まる連続した数字をあてはめたものである。

  • 大きさ1 和 = 1
    大きさ1
    和 = 1
  • 大きさ3 和 = 38
    大きさ3
    和 = 38

魔六角陣は、大きさ1のものと大きさ3のものの二つしか存在しない。また、鏡像・対称なものを除くと共に1種類しか数字の当てはめ方が存在しないことが知られている。

魔六角陣は多くの人によって再発見されている。現在判明している最も古い発見者はエルンスト・フォン・ハッセルベルグで、1887年に発表している。

証明

魔六角陣の大きさが1と3のみであるという証明を以下に示す。

まず、各列の和を M とする。1辺が n である六角形に入る数字は 1~3n(n-1)+1 なので、入る数字の合計 s

s = 1 2 ( 9 n 4 18 n 3 + 18 n 2 9 n + 2 ) {\displaystyle s={1 \over {2}}(9n^{4}-18n^{3}+18n^{2}-9n+2)}

となる。列の数は 2n-1 なので M

M = s 2 n 1 = 9 n 4 18 n 3 + 18 n 2 9 n + 2 2 ( 2 n 1 ) {\displaystyle M={s \over {2n-1}}={9n^{4}-18n^{3}+18n^{2}-9n+2 \over {2(2n-1)}}}

で表される。この式を変形すると

32 M = 72 n 3 108 n 2 + 90 n 27 + 5 2 n 1 {\displaystyle 32M=72n^{3}-108n^{2}+90n-27+{5 \over 2n-1}}

この式の両辺は整数であるため、 5/(2n-1) は整数でなければならない。これが整数になるのは 2n-1 が 5 の約数であるときである。よって n=1,3 である。

大きい六角陣

魔六角陣は大きさ1と3のものしか作れないが、入れる数字の条件をゆるめて、必ずしも1から始まるのではない連続する整数をあてはめることにすれば、さらに大きいものを作ることができる。

Zahray Arsen は、この条件の変更により大きさ4以上の六角陣を作成している。以下に大きさ4,5の例を挙げる。

  • 大きさ4
    大きさ4
  • 大きさ5
    大きさ5

大きさ4のものは 3 から 39 までの数を用いて和を 111 にしている。大きさ5のものは 6 から 66 までの数を用いて和を 244 にしている。

  • 大きさ7
    大きさ7

2006年3月に Arsen は図のような大きさ7のものを発表している。この図は 2 から 128 までの数を用いて各列の和を 635 にしている。