Pentium 4-M

Pentium 4-M (ペンティアム 4 エム)とは米国インテルが開発したCPU。正式名称は Mobile Intel Pentium 4 processor-M(モバイル インテル ペンティアム 4 プロセッサ エム) 。Pentium 4NetBurstマイクロアーキテクチャをベースにノートパソコン用機能を有効にして出荷したものである。

概要

インテルのモバイル向けのPentium 4は、Mobile Pentium III-Mの後継として 2002年3月4日に発表された。 同社のモバイル版CPUの中でも NetBurstマイクロアーキテクチャを採用した最初のCPUである。他にMobile Celeronが存在する。

Pentium 4と基本的に同じである。しかし発熱や電力消費に問題点があるNetBurstマイクロアーキテクチャで低消費電力を実現するため、Mobile Pentium III-Mで採用された拡張版SpeedStepの他に CPUの作業が無くなったとき(アイドル時になったとき)瞬時に最低動作電圧以下の電圧になり、CPUの作業が始まった時、また通常の電圧に戻すDeeperSleepモードなどを備えており、これらの機能により平均消費電力を2ワット以下に抑えている。

そのプロセッサ毎に必要廃熱性能指標とも言えるTDPが設定されているが、発熱は動作クロック周波数に比例すると言われているので、ごく初期の製品を除いて本来の処理を行うとTDP枠に収まり切れないことは明らかである。そのため、TDP以上の廃熱(冷却)能力を持つ筐体でなければ本来の性能にはならず、本来の処理能力より劣る。新製品への期待と、際限なく増大する消費電力とTDP枠との間にジレンマを抱えている。

Pentium Mの発表により、モバイル向けプロセッサの地位を明け渡した。デスクトップ代替ノートパソコン用プロセッサとしての役目を果たすこととなる。

各世代の概要

Northwood(ノースウッド)

Mobile Pentium 4-M

FSBは400MHz。通常モードと低消費電力モードの動作電圧はそれぞれ1.30Vと1.20V。低消費電力モードでの動作クロック周波数は1.20GHzである。1.60GHz以降、TDPは一定の範囲ごとに設定されるようになった。1.60 - 1.80GHz 30.0W。1.90 - 2GHz 32.0W。2.20 - 2.60GHz 35.0W。

1.40 GHz 2002年4月23日発表
1.50 GHz 2002年4月23日発表
1.60 GHz 2002年3月4日発表
1.70 GHz 2002年3月4日発表
1.80 GHz 2002年4月23日発表
1.90 GHz 2002年6月24日発表
2 GHz 2002年6月24日発表
2.20 GHz 2002年9月16日発表
2.40 GHz 2003年1月14日発表
2.50 GHz 2003年4月16日発表
2.60 GHz 2003年6月11日発表

例外として動作クロック周波数と動作電圧が固定されている製品が存在する。
1.60 GHz

Pentium 4-M

特定のOEM先に対して出荷された限定製品。製品名はPentium 4-MでMobileが名前に付かず、動作クロック周波数と動作電圧が固定されている。FSBは400MHz。

1.70 GHz
2.20 GHz

Mobile Pentium 4

消費電力の増大を抑えられず、動作クロック周波数を高めるのをTDP枠を拡大することで回避した製品。それまでは発熱を抑えるために省電力モードでなくても動作を間引かざるを得ない状態で、実際の動作クロック周波数よりも処理能力は低くなってしまっていた。動作電圧は1.525V。省電力モードは1.20V動作で1.60GHz。FSBは533MHz。

2.40 GHz 2003年6月11日発表
2.66 GHz 2003年6月11日発表
2.80 GHz 2003年6月11日発表
3.06 GHz 2003年6月11日発表

HT Mobile Pentium 4

Hyper-Threadingに対応した製品。動作電圧は2.66・2.80GHzは1.525Vで3.06・3.20GHzが1.550V。省電力モードは1.20V動作で1.60GHz。FSBは533MHz。

2.66 GHz 2003年9月23日発表
2.80 GHz 2003年9月23日発表
3.06 GHz 2003年9月23日発表
3.20 GHz 2003年9月23日発表

Prescott-M(プレスコットM)

プロセッサー・ナンバーを採用。

HT Mobile Pentium 4

FSBは533MHz。FSBが800MHzの製品も予定されていたが、未発表。

518 2.80A GHz 2004年5月30日発表
532 3.06 GHz 2004年5月30日発表
538 3.20A GHz 2004年5月30日発表
548 3.33 GHz 2004年9月28日発表
552 3.46 GHz 2005年3月8日発表
558 3.60 GHz 未発表

Tejas-M(テハスM)

デスクトップ向けのTejas自体が開発中止となり、未発表。

生産終了
x86以前(4ビット
x86以前(8ビット
x86(x86-16、16ビット
IA-32(x86-32、32ビット
x64(x86-64、64ビット
IA-64(64ビット)
その他
現行
x64(x86-64、64ビット)
その他
マイクロ
アーキテクチャ
P5
 
P5ベースのコア
0.90 μm
  • P5
0.60 μm
  • P54C
0.35 μm
  • P54CS
  • P55C
0.25 μm
  • Tillamook
P6
 
P6ベースのコア
0.50 μm
0.35 μm
0.25 μm
180 nm
130 nm
90 nm
65 nm
NetBurst
 
NetBurstベースのコア
180 nm
130 nm
90 nm
65 nm
Core
 
Coreベースのコア
65 nm
45 nm
Atom
 
Atomのマイクロアーキテクチャ
45 nm
32 nm
22 nm
14 nm
10 nm
Intel 7
Nehalem
 
Nehalemベースのコア
45 nm
32 nm
  • Westmere (Arrandale
  • Clarkdale
  • Gulftown)
Sandy Bridge
 
Sandy Bridgeベースのコア
32 nm
22 nm
Haswell
 
Haswellベースのコア
22 nm
14 nm
Skylake
 
Skylakeベースのコア
14 nm
10 nm
Cypress Cove
 
Cypress Coveベースのコア
14 nm
Sunny Cove
 
Sunny Coveベースのコア
10 nm
Willow Cove
 
Willow Coveベースのコア
10 nm
Golden Cove (+Gracemont)
 
Golden Coveベースのコア
Intel 7
Raptor Cove (+Gracemont)
 
Raptor Coveベースのコア
Intel 7
Redwood Cove (+Crestmont)
 
Redwood Coveベースのコア
Intel 4
Intel 3
Lion Cove (+Skymont)
 
Lion Coveベースのコア
Intel 20A
Intel 18A
  • カテゴリ
  • 表示
  • 編集